人の人生には、さまざまな過渡期があります。

ひとは長く生きていくと「このままでいいんだろうか?」といった人生の過渡期に遭遇します。

ひとそれぞれ、過渡期は違うのかと思っていましたが、だいたいの人は同じような時期、同じような事柄で悩むようです。

もし、このページをご覧になっている方が人生について悩んでおられる場合は、それは、人生の過渡期なのかもしれません。

人生の過渡期が訪れるのは、極めて正常なことで、その過渡期で思い悩む発達課題を解決していくことで、人生を切り拓いていけますね。

1)成人への過渡期

17〜22歳くらいに訪れます。

完全に大人の世界には入っていない人が、人としての基礎を作り上げている時期に思い悩む過渡期です。

未成年を卒業し、成人になる過程。大人の世界への第一歩を踏み出す時に思い悩みます。

2)30歳の過渡期

成人になって、築き上げてきた生活を考え直す時期です。だいたい30歳くらいに訪れます。

成人になった最初の頃は、見よう見まねで生活構造を作ってきましたが、だんだんと自分のスタイルを確立して、「これでいいのか?」「もっといい生活はないのか?」と考えはじめます。

この時期に新しい選択を行なったり、前までの生活に折り合いをつけて容認すれば、今後もスムーズに生きていけますが、何も考えずに成り行きで過ごすと、課題が解決されず、次の過渡期での悩みが大きくなっていきます。

3)人生半ばの過渡期

40〜45歳くらいに訪れます。

自分自身のこれまでの生活のほとんどに対して、疑問を抱きます。

もうこれまでのようにはやっていけないように感じ、新しい道を切り開くか、これまでの道を修正するのに数年間かかります。

本当の自分とは何なのか?本当の意味での「個性」を確立したくなります。

4)50歳の過渡期

これまで築き上げた生活を修正したくなります。

もし、人生半ばの過渡期で、課題が解決されていたら、そこまで大きな過渡期にはなりませんが、人生半ばの過渡期で確立すべきものが中途半端な状態だったら、50歳の過渡期は大きなものとなります。

5)老年の過渡期

60歳くらい、働き盛りが終わった頃に訪れます。ここでは、老年に入るための土台が築かれていきます。

愛するものとの別れの必要が生じ、社会から葬られるのではないかという恐怖感と役割の喪失感から孤立が進む場合があります。

「死の受容」「新たな生きがいの確立」が課題となります。